第三者機関NPOの役割

日本経済の柱である住宅産業が、健全な発展を遂げることは、すべての国民の願いです。しかしながら、住宅の建設、賃貸住宅、事務所の契約等で、知識不足、経験不足のために、思わぬ不利益を被っておられる多くの情報弱者の住宅需要者が存在しています。

本来、検査・調査など第三者が行うべき役割を、当事者である施工会社や管理会社に任せていることから、さまざまな問題が生じています。そして、これを代替えして 行う機関がなかったことも事実です。市民のために第三者機能を持つ活動は営利団体が行うには限界があり、特定非営利活動法人に対する期待もそこにあります。

マンション外壁タイル剥離事案が続発

特に昨今、マンション外壁修繕でトラブルが続発し、裁判となるケースも少なくありません。大阪地裁には建築関連の訴訟を専門に扱う「建築部」があり、そこでは常時10数件が係争中です。

ある訴状によると、神戸・三宮の20階建てマンションは2005年の完成で、2015年に14階の外壁タイルが幅1.5メートルにわたって剥がれ、4階のベランダに落下、一部は歩道に散乱した。補修会社の調査で外壁全体の15%に問題があるとされました。検討の末、管理組合は施工会社などに約2億4300万円の損害賠償を求める訴訟を起こしました。

貼り替えを余儀なくされた管理組合は「タイルを取り付けるコンクリート面の処理に手抜きがあった」と主張。逆に施工会社は「原因は経年劣化」と争っている状況です。

多くの解決事案の経験を基に問題解決支援

マンション外壁タイル剥離問題解決支援センターでは、この様な事案に対応するため、多くの解決事案の経験を基に、問題解決に精通した一級建築士・弁護士・マンション管理士等の専門家チームを組んで問題解決の支援を行っております。

同時に、個人・中小企業の不動産取引問題や建築問題等を解決するために設立されたNPO日本住宅性能検査協会「建築・不動産取引問題に関する第三者委員会」では、事案ごとに専門委員を招集し、第三者委員会を設置します。

第三者委員会は、CSR(企業の社会的責任)の認識度合いや消費者契約に関する包括的な民事ルール等を勘案した独自の客観的評価基準で、これらの問題点の指摘、及び解決に臨んでまいります。

NPO法人日本住宅性能検査協会 理事長 大谷昭二

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