今回は、杭築造工事・地盤改良工事が終わって掘削作業となります。

④土工事

いよいよ掘削工事が始まります。
皆さんは、工事開始から間もなく大きなダンプカーが多数出入りしているのを目にすることがあると思いますが、これは基礎を造るために又は地下を造るために土を掘って出た土(建設残土と呼んでいます)を残土処分場に搬出しているところです。
土を掘るにあたって、無闇に掘ってしまったのでは廻りの土が崩れてしまって大きな事故に繋がってきます。

そこで、土を掘削する前に廻りの土が崩れないように崩壊防止の工事を行います。それが山留め工事です。

山留め工事の方法は、その場所の土の性状・近隣(隣接建物等)の状況・掘削深さの状況・地下水位の状況等によって色々な工法が検討されます。これらの検討をする事も建設現場の監督さんの仕事です。

山留め工法には大まかに区分けすると

  1. 親杭横矢板工法
  2. シートパイル工法
  3. トレンチシート工法
  4. 連続壁工法
  5. アイランド工法

等があります。

掘削深度が深くなると、山留め壁が倒壊しないように補強する事があります。これが「切梁」と呼ばれています。

 

 

又、掘削深度が深くなると地下水の処理が重要となってきます。

地下水の処理方法としては、

  1. 揚水ポンプによる汲みあげ 
  2. ウェルポイント工法 
  3. ディープウェル工法
  4. 薬液注入止水工法

等がありますが、これらの排水計画(停電時の対策等も含む)を十分検討して対応する事が土工事の要点となってきます。

建設発生残土の処分については、建設残土処理業者の許可証を確認して処分場の現地確認をする事も現場監督さんの重要な確認作業となります。

基礎工事・地下工事が出来上がると、その周りの掘りすぎた部分に土を埋めなければなりません。この工事の事を「埋め戻し工事」と云います。
埋め戻しにあたっては、搬入する土の成分をきちんと調査して有害成分を含んだものでないことを確認いたします。
埋めた部分は十分に締固まっていないので、水を流し込む等によって水締めを行います。
この作業を十分に行っていないと後で地盤沈下等の事故を引起すことになりますので、確認が重要です。

山留め材を引抜く時は、近隣の状況をよく確認して隣接建物に影響が出ないかどうかを検討し、山留め主材をそのまま残すかどうかの判断をする事も重要になります。(その判断次第で近隣とのトラブルを起こす可能性があります。)