「地雷(潜在リスク)」の回避
専門知見による施工不良や責任回避の早期発見。
「交渉の壁」の突破
施工会社と対等に渡り合うための論理構築と立証。
CSR(社会的責任)の遂行
居住者の安全と資産価値を守る公正な解決。

マンションの外壁タイル剥離問題への対応は、まさに紛争地帯における「PKOの地雷処理」です。一見平穏に見える交渉の場にも、施工会社の責任逃れや技術的な隠蔽、瑕疵期間の経過といった「地雷」が無数に埋まっています。専門知識のない管理組合だけで踏み込めば、これらを踏み抜き、修繕積立金の枯渇や組合内部の対立による「爆発(瓦解)」を招きかねません。

「コンサルは無駄」という意見もありますが、それは地図も探知機もなく地雷原を歩くのと同義です。実際には、原因を自然災害に転嫁される「因果関係の壁」や、補修範囲をあやふやにされる「費用の壁」が待ち構えています。私たちは単なる営利目的の業者ではなく、NPOとして「住まいの安全」という社会的正義(CSR)を守るために介在します。公正な第三者が危険な地雷を確実に処理し、誰もが納得する安全な解決地帯へと導くプロセスにこそ、専門家を起用する正当性があるのです。

PKO(Peace Keeping Operation:平和維持活動)の地雷処理における「地雷=施工会社や売主が仕掛ける、責任逃れや交渉の罠」として、コンサルタント(専門家)がいなければ踏み抜いてしまう具体的な事例を10点挙げます。

これらは素人の管理組合役員だけでは見抜くことが難しく、専門的な調査と論理武装(地雷探知機と処理班)が必要な局面です。

「地震・台風」という不可抗力の地雷

業者の主張:
「タイルの剥離は3.11の地震や先日の台風が原因であり、施工不良ではない(不可抗力である)。」

クリアすべき課題:
自然災害の影響と、本来あるべき付着強度の不足(施工瑕疵)を科学的に切り分け、構造的な欠陥を証明しなければならない。

「経年劣化」の壁

業者の主張:
「築10年経てば、紫外線や熱で劣化して剥がれるのは当たり前(自然損耗)。」

クリアすべき課題:
適切な施工がされていれば、10年程度で広範囲に剥離・落下しないという技術的根拠(建築学会標準など)を突きつけ、反論する。

「施工許容範囲(誤差)」の盾

業者の主張:
「多少の浮きや不陸(デコボコ)は、建築基準法や仕様書の許容範囲内であり、瑕疵ではない。」

クリアすべき課題:
業界の一般的な施工水準(標準仕様書)と照らし合わせ、許容範囲を逸脱している「手抜き」であることを立証する。

「伸縮目地」の不備という隠れた地雷

業者の主張:
「図面通りに施工した。(たとえ目地が不足していても)設計図にないものは施工しない。」

クリアすべき課題:
設計段階でのミス(設計瑕疵)か、現場判断での省略(施工瑕疵)かを特定し、必要な位置に目地が入っていないことが剥離の主因であることを追及する。

「メンテナンス不足」への責任転嫁

業者の主張:
「管理組合が適切な時期に点検・補修を行わなかったから被害が拡大した。」

クリアすべき課題:
長期修繕計画に基づいた管理を行っていても防げなかった「潜在的な欠陥」であることを証明し、管理組合の過失相殺を防ぐ。

「部分補修」でお茶を濁す罠

業者の主張:
「浮いている箇所だけエポキシ樹脂で注入補修します。(全面的な張り替えは拒否)」

クリアすべき課題:
現在浮いていない箇所も、付着力が弱ければ数年後に必ず剥落するリスク(予見可能性)を示し、抜本的な全面改修や広範囲の補償を引き出す。

「アフターサービス期間」の期限切れ

業者の主張:
「2年のアフター期間は過ぎているので有償対応になる。」

クリアすべき課題:
アフターサービス基準ではなく、「品確法(10年)」や「不法行為責任(20年)」の法的枠組みに持ち込み、時効の壁を突破する。

「調査データ」の過小評価

業者の主張:
(業者が実施した打診調査で)「浮き率は全体の1%未満でした。問題ありません。」

クリアすべき課題:
業者側の調査は甘い(小さい音を拾わない等)可能性があるため、第三者による精密検査で「真実の浮き率」を暴き出す。

「示談書(清算条項)」の最終地雷

業者の主張:
「見舞金を出しますので、今後一切の請求をしないという合意書にサインを。」

クリアすべき課題:
目先の少額解決金で手を打ち、将来発生する大規模な剥落事故に対する請求権を放棄させる「毒入り条項」を排除する。

「下請け・孫請け」への責任たらい回し

業者の主張:
「それは下請けのタイル屋の責任だ」「売主としては施工会社に任せていた」

クリアすべき課題:
契約上の責任(売主の瑕疵担保責任)や、施工管理責任(ゼネコンの管理義務違反)を明確にし、責任の所在を逃げ場のない状態で固定する。

【結論】裁判という「消耗戦」よりも、CSRによる「実利ある解決」を

経験則上、裁判は管理組合にとって「立証の壁」や「費用倒れ」のリスクが高く、圧倒的に不利な選択肢になりがちです。必ずしも最善手とは言えません。膨大な時間と鑑定費用を費やしても、司法の場では技術的な詳細が争点となり、期待する修繕費が確保できないケースが多いためです。

そのため、当センターでは裁判ではなく、行政機関(監督官庁)の知見・協力も借りつつ、法的な勝ち負けの泥沼に陥るのではなく、企業の社会的責任(CSR)に訴えかける「話し合いによる解決」を推奨しています。私たちは代理人として交渉するのではなく、組合様が施工会社と対等に渡り合えるよう、客観的データの提供や論理構築を全力でサポートします。企業の「信用」と「良識」に働きかけるこの手法こそが、組合側の負担を最小限に抑え、最も確実な成果を引き出すための最短ルートです。

以上

・内閣府認証NPO法人日本住宅性能検査協会

 マンション外壁タイル剥離問題解決支援センター

・(一社)日本不動産取引CSR評価機構